治療院・サロンの差別化に!トータルブランディングの重要性と成功のステップ

そもそも「ブランディング」とは何か?

広告やロゴとは違う?ブランディングの本質

ブランディングという言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「おしゃれなロゴを作ること」や「かっこいいデザインに整えること」だと思っている方も多いのではないでしょうか。

私自身、20代で店舗を経営していた頃、まさにそう考えていました。見た目が良くなれば自然とお客様が増えるに違いない…そんな思い込みから、何十万円もかけてロゴデザインや内装を整えたのです。

でも、結果はまったくと言っていいほど変わりませんでした。

なぜなら、ブランディングの本質は「見た目」ではないからです。

ブランディングとは、「あなたのサービスが、誰に対して、どんな価値を届けているのか」を明確にし、その想いや価値を、言葉やデザイン、接客や空間に至るまで“統一された形”で伝えていくこと。
つまり、ブランドとは「信頼の積み重ね」であり「選ばれる理由」そのものなのです。

もちろん、ロゴやデザインはその想いを表現する大切な要素の一つです。

でも、その「中身」つまり、誰に・なぜ届けるのかという「ブランドの核」が曖昧なままでは、どんなに見た目を整えても、伝わるものも伝わりません。

ブランディングが「集客に効く」のはなぜ?ブランディングの役割

人がサービスを選ぶとき、必ずしも「安い」「機能的」だから選んでいるとは限りません。
たとえば、同じような肩こりケアをしてくれる治療院が2軒あったとします。

ひとつは、「○○式整体/初回2,980円とだけ書かれた広告。
もうひとつは、「仕事と子育てに忙しいママのために自分を取り戻す整体サロン」というメッセージと、あたたかな空間写真、丁寧な紹介文が添えられたSNS投稿。

子育て世代のママがターゲットの場合、価格は前者のほうが安くても、多くの人は後者に惹かれるのではないでしょうか。

その理由は、施術そのものの説明ではなく「共感」や「信頼感」「自分に合っていそう」という感覚が伝わるからです。


つまり、人は「この人なら分かってくれそう」「ここに行けば自分に合う体験ができそう」と感じたときに、心が動き、行動に移すのです。

だからこそ、ブランディングとは「想い」や「世界観」を通じて、「選ばれる理由」をつくるための仕組みづくりであり、結果的に集客をラクにし、価格競争に巻き込まれずにすむ土台になるのです。

治療院やサロンにトータルブランディングが必要な理由

価格競争・模倣の時代に求められる「選ばれる理由」

整骨院やリラクゼーションサロン、美容サロンは、今やコンビニより多い時代。メニューも似ているし価格も横並び。だからこそ「この人にお願いしたい」と思ってもらう理由が必要になります。

たとえば、私がサポートしたある鍼灸院では、「不妊治療に特化した鍼灸×栄養サポート」という明確なブランドを確立したことで、半年で新規客が3倍に、リピート率が80%を超えるようになりました。強みが伝わると、お客様は自然に「比較」ではなく「共感」で選んでくれるんです。

SNSやホームページだけでは不十分な時代背景

SNSをがんばって投稿しても、ホームページを作っても、なかなか反応がない。集客できない。そんな相談が後を立ちません。理由は「誰に何を届けるか」が定まっていないから。または伝えていることば媒体ごとにバラバラだからかもしれません。

一貫性のあるトータルブランディングをすることで、発信すべき内容や写真のトーンが揃い「見た目・雰囲気・言葉」のすべてに統一感が生まれ、同時にターゲット客に価値が届くはずです。

来店前に勝負が決まっている?“見えない印象”の影響力

人はたった3秒で「行く・行かない」を決めるとも言われています。つまり、来店前に勝負はほぼ決まっているのです。

ロゴ・色合い・写真・スタッフの雰囲気。こうした「印象」の積み重ねが、「この人、なんか信頼できそう」「このサロンに行ってみたい!」という気持ちにさせるのです。

印象を考えることもブランディングにおいて重要な要素の一つとなります。

トータルブランディングの具体的な手順とは?

① 自分の理念・想いを整理するストーリー性

すべてのブランディングはここから始まります。

「なぜこの仕事をしているのか」
「どんな未来を提供したいのか」
「どんな人に来てほしいのか

一人で考えてもなかなか出てこない場合は、過去のお客様とのエピソードを振り返るのがおすすめです。実際に喜ばれた小さな出来事が、実はブランドの核だったりします。

② ターゲットの明確化とペルソナ設計

次に必要なのが、「誰に届けるのか」の明確化です。年齢・性別だけでなく、悩み・性格・行動パターンまで落とし込んで考えてみてください。

たとえば、「仕事と子育ての両立でヘトヘトな30代ママ」「スマホ首に悩む在宅ワーカーの40代男性」など、イメージが具体的になるほど、発信が刺さります。

③ コンセプト設計(強み・世界観の言語化)

自分の強みを「お客様へのメッセージ」として落とし込むのがこのステップ。
「技術力が高い」よりも、「1回で肩の痛みが軽くなると口コミ多数」のほうが伝わりやすいですよね。
ここでつくるキャッチコピーやサービス名が、今後のすべての発信の軸になります。

④ ビジュアル・空間の統一

ロゴ・名刺・HP・SNSの投稿・サロンの内装まで、「色」「雰囲気」「言葉づかい」を揃えることで、印象のブレがなくなります。

私の知人が「ナチュラルで温かみのある鍼灸院」としてトータル設計したところ、患者さんから「ここに来ると、ほっとする」と言われるようになりました。

⑤ メディア設計(SNS、ホームページ、チラシなど)

Instagram?LINE?ホームページ?全部やる必要はありません。ターゲットが普段どこにいるかを考えて、媒体を絞るのがコツです。

「集客ツール」ではなく「世界観や価値観を届ける手段」として設計すると、無理のない発信が続けられます。

⑥ 顧客体験のデザイン(接客、言葉づかい、予約導線など)

ブランディングは見た目だけではありません。「接客」や「LINEの文章」も含まれます。

施術が終わった後、「LINEで施術後のフォローがあって安心できました」と言われたクライアントもいました。こうした細部が「信頼感」につながり、顧客から見たブランドイメージが固まってきます。

ブランディングを成功させるための3つのポイント

① “自己満”にならないよう顧客目線を忘れない

「かっこいいデザイン」にこだわりすぎて、誰にも伝わらない…これはよくある落とし穴です。見ているのは「未来のお客様」であることを忘れずに。

② 一貫性を持ち続ける(世界観・トーン・デザイン)

SNSでの見せ方と実際が異なる。HPでは丁寧語だけど実際はタメ口。専門性はあっても上から目線でセールスも強い。これでは良い印象を与えることはできませんよね?一貫性とは何か?真剣に考えるべきです。

③ 短期的な成果より『ファン化』を意識する

「今月何人来たか」より「何人がリピートし、紹介してくれたか」が大事。ブランディングは「信頼」を積み重ねることです。

よくある失敗例とその対策

ロゴやHPを作っただけで終わり
発信や接客が伴わなければ意味がありません。トータルで考えましょう。

他人のアドバイスに振り回される
自分の軸がないと、発信がぶれます。最初の理念整理がカギです。

準備に時間をかけすぎて動けない
完璧を目指さず、まず“仮”で動いてみましょう。走りながら整えていくことが大切です。

ブランディングは「未来のお客様」に届く土台づくり

ブランディングとは、「あなただからお願いしたい」と思ってもらうための仕組みづくりです。
どの業界も競合が増え、今は本当に選ばれることが難しい時代です。
そんな時代だからこそ、真剣に自分が選ばれる理由を考え、独自の価値として提供することが重要です。

どこから始めれば良いかわからない方は、まず、誰を対象にどんな価値を提供したいのか?他と違って何が良いのかを考えてみてくださいね。

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城岡 崇宏

株式会社城岡プロモーションの代表取締役で、ブランディング・マーケティング・デザインの3つの視点からトータルブランディングを提供するコンサルティング&制作会社を運営しています。​北海道と東京で複数のサロンや店舗を経営し、実践的な経営戦略を基に、10年・20年と継続的に利益を生み出すビジネスの土台作りにフォーカスした内容をメルマガで発信しています。​「リピート集客経営」を基本の考え方に、お客様に選ばれ続けるビジネスモデルを一緒に育てていくことを目指しています。